伊勢を知り、日本の「本物」を知る。インバウンド・教育旅行にもおすすめの学び・体験ツアー-1

伊勢を知り、日本の「本物」を知る。インバウンド・教育旅行にもおすすめの学び・体験ツアー

作成日:2026年2月

新しい発見で「伊勢を知る」

 三重県伊勢市は、古くから伊勢神宮とともに歩んできた町です。伊勢の台所として栄え、今も蔵造りの建物が残る河崎の町並みや、職人の細やかな技が光る伊勢根付、伊勢和紙などの伝統工芸。ここには、長い歳月をかけて受け継がれてきた精神文化が、現代の日常の至る所に息づいています。その中心にあるのが、日本人の心のふるさととして親しまれてきた伊勢神宮です。2000年以上も前から繰り返されてきた祈りの日々は、単なる歴史の記録ではなく、現代を生きる私たちの暮らしや価値観にも、大切な気づきを与えてくれます。

 この記事では、そんな魅力あふれる伊勢の『学び・体験』にスポットを当てたツアーをご紹介します。このツアーでは、技術・文化の奥にある物語を知ることで、伊勢を通して日本のこころの原点を紐解きます。

 日本の核にある「本物」に触れる体験は、知的好奇心の強い訪日客にとっては日本文化の深層に触れる特別な没入体験となり、学生たちにとっては現代社会を生き抜くヒントを探る「探究の場」となるでしょう。伊勢を初めて訪れる方はもちろん、何度か訪れたことがある方々にも、知的な刺激と深い感動をもたらす新しい発見がきっとあることでしょう。
 

皇學館大学で『日本のこころを知る』

 伝統の継承を深く学ぶ舞台のひとつとなるのが、皇學館大学です。ここでは、体験ツアーを通して学生や教員と学び触れ合うことで、日本人が大切にしてきた精神性などを単なる知識として学ぶのではなく、自らの身体を通じた「所作」として体感することができます。
 体験ツアーの内容を一部紹介します。「御饌体験」では神様のお食事である「御饌」はどのようなものなのか、どのようにお供えするのかなどをより深く理解することができます。

 皇學館大学では「山田羽書」にまつわる体験も用意されています。日本最古の紙幣といわれている「山田羽書」は、伊勢神宮を中心とした精神文化と御師と呼ばれる人々の活動の中から生まれ、約250年もの間伊勢周辺で流通していました。
 この体験では、そうした山田羽書の歴史的背景や役割について学ぶとともに、実際に自分だけの山田羽書を作成することができます。山田羽書の学習と体験は、日本文化における「信用」や「約束」、「人とのつながり」を理解する入り口となり、訪日客や学生団体にとって、日本の価値観を身近に感じる貴重な機会となるでしょう。
 

Column

御師(おんし・おし)とは

 御師とは、伊勢神宮と全国の人々を結ぶ役割を担っていた人々です。全国に担当する地域を持ち、信仰を通じて人々と長く深い関係を築いていました。
 御師は毎年、各地を訪れてお神札を配り、祈りを届けました。また、人々がお伊勢参りに訪れた際には、自らの家に迎え入れ、参拝の案内や御神楽を行いました。
 こうした長年の信頼関係があったからこそ、人と人との信用をもとにした経済活動が広がり、「山田羽書」は安心して使える通貨として受け入れられました。御師の活動は、今日に続く日本の「おもてなし」の原点の一つといえるでしょう。

伊勢神宮から『日本のこころの原点』を知る

 伊勢神宮は、三重県伊勢市に鎮座し、正式には「神宮」といいます。2,000年以上の歴史があり、「日本人の心のふるさと」とも表現される日本の歴史や価値観を理解するうえで、欠かすことのできない場所の一つです。
 皇大神宮(内宮)には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)がお祀りされています。また、豊受⼤神宮(外宮)には、豊受大御神(とようけのおおみかみ)が祀られています。
 神宮では、年間約1500回お祭りが行われています。五穀豊穣をはじめ、日本の安泰と皆さまの幸せが日々お祈りされています。

 そして神宮最大のお祭りとして、20年に一度、社殿等を新しく造り替える「式年遷宮」があります。
 式年遷宮は、1300年以上続く、世界でも類を見ない行事です。技術の継承、文化の保存、そして、人々の心などさまざまなことを紡いできた大切なもので、令和15年(2033年)の遷御に向けたお祭りや行事が令和7年(2025年)から執り行われています。

 このように伊勢神宮は、日本の文化や価値観、そして人々の心のあり方を学ぶことのできる生きた学びの場です。訪日客にとっては日本文化の深層に触れる貴重な体験となり、学生にとっては、歴史・社会・文化を総合的に考える探究のフィールドとして、大きな学びをもたらしてくれることでしょう。

 また、このツアーでは英語ガイドオプションも利用できます。日本独自の精神性や歴史について、文化的な背景や用語の前提を補いながら紹介することで、言語の壁による理解の負担を軽減し、海外からのゲストにも安心して参加いただけます。こうした「体験」と「理解」を結びつける存在は、旅の印象をより豊かなものにし、訪問の記憶をより深いものへと導いてくれるでしょう。

博物館から『核に触れる』

 伊勢神宮の歴史や思想を、より多角的かつ体系的に理解するために欠かせないのが、博物館ガイドツアーです。博物館を巡ることで、参拝だけでは気づきづらい、文化や技術がどのように受け継がれてきたのかという「継承の仕組み」や、自然と共に生きてきた日本人の価値観を、貴重な資料や展示を通して学ぶことができます。

 例えば、神宮徴古館は、日本で最初の私立博物館として創設された伊勢神宮の歴史と文化の総合博物館です。式年遷宮で撤下された神宮の御神宝装束をはじめ、伊勢神宮に関わる貴重な資料や、祭りに使われる道具、伝統工芸品などが展示されており、日本の信仰や暮らしとの関わりを分かりやすく紹介しています。また、神宮農業館は、「自然の産物がいかに役立つか」をテーマとした日本で最初の産業博物館です。神様のお食事である神饌や農林水産関係の資料を通して、神宮が長い年月をかけて守り続けてきた自給自足の仕組みや、自然への深い敬意を学ぶことができます。

 これらの博物館でも、インタープリテーションガイドによる解説及び英語での対応が可能です。言語面の不安を軽減しながら、海外からのゲストにも理解しやすい形で歴史や文化を紹介しています。
 

直会(なおらい)が繋ぐ『非日常から日常へ』

 直会とは、お祭りの後に、神様にお供えした食やお酒のことを神饌といいます。それらを参列者でわかちあっていただくことです。
 神様に捧げた食を共にいただくことで、その恵みを分かち合い、無事にお祭りが終わったことを喜び合う——直会は、人々のつながりを深めるとともに、神聖な時間(非日常)から日常へと心を戻すための、大切な通過儀礼の役割を果たしてきました。
 伊勢神宮では、御饌やお神楽をあげた方に対し、お米・お塩・昆布・かつお節・するめいか等がおさがり(撤下神饌)として代表者1名に授与され、古くからこの食文化が守り伝えられています。
 

 このツアーでは、この直会の考え方を現代的に体験できる食のプログラムを用意しています。
 写真を掲載している「伊な勢」さんが提供する直会コースは、神饌として用いられる食材や地元食材にひと手間加えた料理。素朴にゆったりとした空間と時間の中で楽しむことができます。
 また「ハナカゴメ」さんでは御饌と地元食材を使ったヘルシーな蒸し料理が味わえます。これらのコース料理のほかに、直会弁当や、非日常(ハレ)の時間を終え、日常(ケ)へと戻る際にも伊勢の記憶を持ち帰っていただけるよう、さまざまなお土産もあります。このほか、「パン屋 麦」さんや「EKA Gelato(エカジェラート)」さんが作る、地域の食材を使ったパンや焼き菓子など、旅の余韻をやさしく思い出させてくれる品々にも注目です。

 上記の食を味わえるお店は、「食」の神である豊受大御神を祀る伊勢神宮・外宮のお膝元である外宮参道にあります。
 外宮参道を舞台にした食のコンテンツ「ハレカラミケ」。伊勢ならではの直会体験をぜひご賞味ください。
 

おわりに — 日本の核を伝える旅をデザインする

 古くから多くの人々が訪れてきた伊勢神宮。その周辺には、歴史と伝統が息づく町並みが広がり、日本ならではの文化や考え方が大切に受け継がれてきました。今回のツアーでは、日本で古くから大切にされてきた祈りの文化や、神楽に代表される伝統芸能に触れることで、日本人の価値観や精神文化を分かりやすく学ぶことができます。
 また、博物館では、貴重な資料や展示を通して伊勢神宮の歴史や文化を学ぶことができ、訪日客や学生にも理解しやすい内容となっています。さらに、直会をテーマにした食体験では、日本の祭りや祈りと食文化の関わりを、味覚を通して体感することができます。

 今回、紹介したツアーの他にも「おすすめモデルプラン」などがあり、お気軽にお楽しみいただける内容を掲載しているサイトがあります。伊勢を訪れる際には、ぜひこれらのプランを活用し、日本文化への理解を深める伊勢ならではの体験をお楽しみください。
 

次に読みたい記事

We use cookies on this site to enhance your user experience. If you continue to browse, you accept the use of cookies on our site. See our cookies policy for more information.
ページトップへ