鳥羽は、多くの文人をひきつけ、数々の文学の舞台ともなったまちです。観光地として知られる鳥羽ですが、当時の名だたる文化人と交流した異才・岩田準一を生み出したほか、江戸川乱歩や梶井基次郎が人生の一時期を過ごしています。
まだ、知られていない新しい鳥羽の素顔をのぞいてみませんか。

1. 漂泊の詩人 伊良子清白の家▲MAP
医師で詩人の伊良子清白は、45歳のとき、鳥羽町小浜に村医として赴任してから、22年にわたって小浜で暮らしました。また、鳥羽で
2. 門野幾之進記念館▲MAP
安政3(1856)年、鳥羽藩家老の家に生まれた門野幾之進は、14歳で慶應義塾に入塾、福沢諭吉に師事しました。2年後の16歳で教鞭をとり、以来、31年にわたり多くの人材を世に送り出してきました。また、千代田生命株式会社を創立し、共同保険、海上海運保険、富国銀行の経営に携わり、郷土の教育振興に尽くしました。彼のゆかりの品を展示した記念館です。
3. 大山祇神社~鳥羽城跡(梶井基次郎ゆかりの地)▲MAP
鳥羽城跡にある城山公園は、鳥羽湾が一望できる眺望のよい憩いの空間となっています。明治44年、10歳の梶井基次郎が父の転勤で移り住んだのが、このあたりでした。この神社から城跡がある城山一帯が、格好の遊び場となっていたのでしょう。
4. 金胎寺▲MAP
高野山真言宗の寺。境内には新四国八十八ヶ所小霊場があるほか、松尾芭蕉の句碑(寛政9年)「ほととぎす消えゆくかたや島ひとつ」のほか、江戸時代の鳥羽の歌人の句碑があります。
5. 光岳寺(江戸川乱歩ゆかりの地)▲MAP
江戸川乱歩が深夜一人で座禅を組んだ寺。後に、乱歩は、「私ハ深夜付近ノ禅寺ヘタダ一人座禅ヲ組ミニ行ッタリ、会社ヲ休ンデ自室ノ押入ノ中ニヰタリシタ。ソシテ何カ文学トカ哲学トカニ縁ノアルコトヲ口走ッテヰタノダガ・・・」と書き記しています。
6. 鳥羽みなとまち文学館▲MAP
画家で風俗研究家でもあった岩田準一が、その大半を過ごした家を活用した文学館です。館内では、彼の絵画や研究資料、交流のあった江戸川乱歩・竹久夢二などとの書簡が展示されています。また、鳥羽にゆかりのあった江戸川乱歩をテーマにした「乱歩館」や、土蔵を活用し乱歩の作品世界を再現した「幻影城」、昭和30年代のまちなみを再現した「みなとまち文学館小路」など、鳥羽の新しい魅力を感じることのできるスポットです。
7. 扇野の里・樋の山▲MAP
「鳥羽十景」に選ばれた扇野からは、美しい鳥羽湾の風景が一望できます。昭和29年に発表された山本周五郎の小説『扇野』は、樋の山を舞台に、江戸の絵師を思う芸妓と廻船問屋の娘・おけいの二人の女のまごころを描いた作品です。
8. 賀多神社▲MAP
旧鳥羽町の
鎌倉時代からの能面や衣装が伝えられており、春には、境内で薪能が奉納されます。
9. 日和山見晴台(田山花袋、石坂洋二郎ゆかりの地)▲MAP
山頂からの眺めがすばらしく、古くから展望の名所とされてきました。山頂には、船頭達が海の様子を見て天気を占うための方位石が置かれています。
田山花袋は『南船北馬』において、次のように記しています。
「・・・鳥羽にて日和山、これには必ず登りたまえ。低き山なれどその眺望はまことに美しく、東海の松島とまで人々に言いはやさるる所とて・・・」
また、石坂洋次郎の小説『若い人』では、修学旅行で鳥羽を訪れたヒロインが、日和山からの景色を、美しい描写で記録に書き残しています。